■B Corporationとは
利益の追求と同時に、社会・自然環境に対して世界的高水準のパフォーマンスを認証する国際制度。
自社の事業推進の中核においてその水準を満たす必要があり、ボランティアや非営利の団体は認証取得することができない。
SDGsの発信組織でもあるUnited Nations(国連)とも公式に連携しており、企業、金融、行政など、世界的なトップランナーがベンチマークする認証制度。
■我々とB Corporation
我々は、代表の中村賢治と工場長の張 司雄による創業時から、東京23区である足立区に本社工場を構え、あらゆる素材の裁断・縫製技術を中核に、近隣の協力先工場や国際的な素材メーカーなど多様な企業様と連携しながら、主にバッグや小物などの製造、産業資材の製造を手がけ、その世界で常にトップランナーでありたいと考え続けて参りました。コロナ禍の2021年、後に社外取締役となる岡田康介((株)SISON’S代表)よりB Corporationの存在および認証のための経営改革を全面的に導入し、2023年7月に正式に認証を取得いたしました。
創業以来、リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、気候危機や経済格差、SDGs必達の情勢、など様々な地球規模の問題を通して、「経営を通した人徳の在り方」、「後発の製造業・技術屋・機械工として、如何に競合し、世の中に貢献できるか」、を日々問い続けてきた中で、ステークホルダー資本主義の実践、B Corporationこそが我々のポリシーを追求し続けられる道であると強く感じています。
■B Corporation認証基準の概略
認証内容についてはB Corporation運営母体である米国のB Labと全世界の支援組織によって詳述*されていますので、ここでは概略に関してご紹介させていただきます。認証は、主に以下の5つの視座で判断されます。* https://www.bcorporation.net/en-us/
1. 我々が日々生活し、仕事する地域、市場、業界など社会全般に、より良い影響をもたらしているか
2. その社会の基盤である土地、森林・河川・海・動植物などの自然環境に、より良い影響をもたらしているか
3. 共有資産である社会・自然環境に、ビジネスがもたらしてきた問題をどのように解決するか、説明責任を果たすことができる
4. 上記1~3の全てにおいて、透明性を持って実証することができるか
5. 格差や気候危機など世界的な問題を生み出してしまった旧来の資本主義システムを変革し続けていける企業であるか
1. 自然環境への貢献度レベル
■B Corpとして評価された経営内容
・Animal welfareにおけるbest practiceの探求と、自社調達ポリシーの構築、および実践
・「製造端材93.8%削減 × 機械設備部材99%削減 × 不良率0.01%以下」の環境保全ビジネスモデル(NK Impact Model)
・再生可能エネルギー100%での製造 (RE100, 太陽光や水力を主電源とし、再エネ電源の背景も把握)
など
■今後3年間の経営改善目標
・NK Impact Modelの年間売上比率70%達成
・animal welfareのbest practiceの水平展開
・プロダクト単位別のWFPの定期調査と市場比較30%低減(LWG tannersとの協働)
・使用素材の化学品や影響の完全把握と代替確立(LWG tannersとの協働)
・アップサイクル事業の構築(対売り上げ比率15%)
・サプライチェーン(全協力工場およびtanners)のRE100の実現
など
2. 地域社会・サプライチェーンへの貢献レベル
■B Corpとして評価された経営内容
・自社組織における多様なリーダーシップ
・事業活動地域における多様性実現のための測定指標把握レベル
・ローカル事業活動のスケールと深度、持続的で高い調達率
など
■今後3年間の経営改善目標
・地域成長優位のコミットメントを、長期安定化させるためのビジネスモデル構築と公約化
・地域成長優位の為のサプライヤー優先条件の認知拡大と実践率向上(Supplier Screening)、ダイバーシティプログラムの強化と
実践
・職場における多様性実現(マネージャー職におけるジェンダーパリティの実現、および全社成長計画&進捗の公表)と、その為の官民連携推進(Public Affairs含む)
など
3. 社員への貢献レベル
■B Corpとして評価された経営内容
・就業環境(残業体制、賃金、休暇制度、就業規則など各種社内規定)
・福利厚生
・教育の充実(市場価値の高いコアスキル技術の習得支援)
など
■今後3年間の経営改善目標
・給与改善
・クロスセクショナルな実務スキル、コミュニケーションや言語能力習得など公私ともに活用できるスキル研修提供
・社員満足度や離職率の同業他社比較分析と活用
など
4. 顧客への貢献レベル
■B Corpとして評価された経営内容
・会社として顧客貢献を実現するための正式な品質管理規程
・自社商品やサービスの利用を通して、お客様側の自然環境保全経営に貢献できる保証の提供
・お客様満足度のモニタリング実績と、お客様のWellbeing向上への貢献
など
■今後3年間の経営改善目標
・我々の事業における中核的位置づけとして、Underserved groupへのプロダクト、あるいは技術サービスの開発・提供を行う
・お客様での素材選定やサプライチェーン選定における基準改善を促進する
・お客様からの正式なフィードバック(くちコミなど)の順次公表
など
5. 自然環境・社会・社員・顧客へ貢献し続ける公正な経営管理統制レベル
■B Corpとして評価された経営内容
・Company policy内容と、それに基づく事業成功指標や優先順位の設定
・Stakeholder engagementの内容と、有言実行のための公表姿勢
・Policy(Purpose)Driven 経営のための意思決定プロセス
など
■今後3年間の経営目標
・地域社会や多様性を包摂する社会、自然環境や生物多様性への貢献レベル(外部評価)と、貢献目標(KGI)、進捗実績(KPI)の公表していく
・日本の会社法改正にてPublic Benefit Corporationの定款導入(「新しい資本主義」の骨子として)を行政に打診し、日本企業が経営現場における意思決定においてSDGs実現などの公益に資することを公約する仕組みを構築する
・組織拡充を伴う会計・管理体制を強化していく
など